航空会社のマイレージサービスによる顧客囲い込みがうまくいくようになってから、オンライン・オフラインを問わず多くの事業者でポイントサービスが提供されています。
単なる割引・値引きサービスに比べると(短期的な)財務的なインパクトが小さいのと、利用者側のお得感がうまく演出できているのも普及している理由です。
ところが、このポイントサービスは、これまではアイディア先行で進んでいるという実態があり、いろいろな問題を潜在的に抱えています。
例えば、利用者に対して発行したポイントが使用されずに残っている場合、発行者側にとってはいつまでも未払い費用になりますが、これを会計上処理するためのルールも各社でバラバラです。最悪は簿外債務というケースもある訳です。
また、ネット上のサービスでは本人確認が不十分な場合も多く、同一人物が複数のアカウントを所持して、ポイントを不正に獲得するなどの行為も見受けられます。
こういった状況を改善するために、インターネット上でのポイントサービスを展開する企業で構成されるインターネットポイント協議会がガイドラインを発表しました。
今回のガイドラインで提示されている内容は次の通りです。- 個人情報保護について
個人情報を付帯するポイント履歴(処理ごと、一覧、累計)情報も個人情報として認識
- 会員の不正について
「なりすまし」、「ID重複登録」、「他人のID使用」等を会員の不正と定義する
会員が不正をおこした場合には退会を含めた防止策を講じる
- 発行ポイント会計処理基準について
ポイント引当を会計処理に採用する
年一回以上の見直しと、同一のポイント引当率算定方法を継続して採用する
- ポイント交換基準について
消費者に下記の4項目を明示する
統一情報はポイント交換レート及び単位、交換のタイミング、最小交換数
インターネットポイント協議会とは、 同協議会のホームページの説明によれば
日本インターネットポイント協議会とは、インターネットポイント・マーケティング業界の啓発活動と健全なる発展を促進するために、ポイント発行及びポイント流通に関わるインターネットポイント・サービス提供者で、オープンかつフェアな情報交換と情報の発信を行い、利用者、サービス参加企業、広告主の満足度向上に寄与することを目的とした非営利団体です
という団体です。
私自身、かつてポイントサービスを運営とポイントシステムの運用を行っていたことがありますが、当時にこのような基準があれば頭を悩ます機会も減ったのだろうと、あらためて感じます。
■日本インターネットポイント協議会(JIPC)がガイドラインを発表
http://www.jipc.jp/release/20070620_1.html
http://www.jipc.jp/
■JIPC、個人情報の保護などポイントサービス事業のガイドラインを策定(Yahoo! ニュース)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070621-00000003-bcn-sci