ブロードバンドが普及した背景には、ベストエフォート型サービスの広がりが挙げられます。
ベストエフォートとは「最善の努力」という意味ですから、
その性能がでないかも知れません、ということを表しています。
例えばBフレッツなどの光ファイバーでは100Mbpsが最大速度となっていますが、この速度が出ることは実際にはありません。
逆に10分の1の速度に達しないことはよくあるわけです。
なぜ、このような文字にするといい加減にも取れるサービスが現れたか。
もちろんそれには理由があります。
それまでの通信回線と言えば、専用線で○○Mbps帯域保証というのが当たり前でした。
ところが、端末側の回線速度が増加してくると、
それらを集約している上位側では帯域がとても大きくなってしまいとても高額な設備投資が必要になってしまいます。
(それ以前に技術的な問題が発生するケースもあります・・・)
このように設備を占有するような使い方では、安価なサービスの提供は困難でした。
そこで、保証するという考え方をやめて、利用して行く上で問題が生じない程度に共有することで、 提供コストを削減するというサービスが考え出されたのです。
実際の利用状況を考えれば明らかなように、全ての利用者が目一杯の帯域を使う通信を行うことはまず考えられません。 そのためこの考え方は現実的なサービスとして受け入れられていきました。
※もちろん私もサービスを切り替えました。
これによって通信インフラの提供コストは大きく下げられてブローバンドの普及が進んでいったということです。
ですから、利用者が多くなる夜間のスピードが遅くなるのは、
ベストエフォート型のサービスを利用している以上は避けられません。
これはひかり電話などIP電話サービスについても同じことが言えます。
料金が安いのはそれなりのサービスということです。
これが嫌であれば保証型の専用線を利用するしかありません。
ただし、通信コストは2桁あるいは3桁くらい上昇しますが・・・
※一般の加入電話・ISDNは「保証型」のサービスなので品質が違います!
ベストエフォート的なサービスとしては、最近の安価なレンタルサーバーサービスが挙げられます。
ただ、こちらは「品質を保証しません」という形なので、データ・コンテンツの管理に注意が必要です。
壊れてしまってゴメンナサイと言われても本当に困ってしまいます。
品質に配慮した上位のサービスを利用するという選択も必要でしょう。
※バックアップは心がけましょう
ところで、このベストエフォートという言葉は久しぶりに目にしたのですが、 それは中吊り広告でした。
AERAの広告「ベストエフォートの罠」 というタイトルです。
実際に、記事を読んで訳ではありませんがベストエフォートが当たり前になってしまうと、
それを保証されたものと勘違いしていまう、
あるいは逆にそんなもの(安かろう悪かろう)的な反応が一般化してしまう
というようなことが書かれているのではないでしょうか。